売り手目線↔買い手目線の繰り返し

 昨年末から今日にかけて60数件の6次産業化に関するビジネスプランに目を通してあれこれと評価を書いています。

 

 経営資源はどこまで揃っているか(または揃えられるのか)、どのような戦略か、市場や競合はどうかなど様々な観点から判断しますが、その事業者がどこまで考え抜けているか(いわば想いの強さ)は言葉や数値の具体性となって表れるなと感じています。

 

 思えば8年程前、起業家が集まる県の機関へ入居すべく私は自分のビジネスプランを十分に理解していないままビジネスプランシートを書き上げました。結果、審査員3~5名にバシバシ叩かれたことを今でも覚えています(汗)(かなり悔しかったですが、私が審査員の立場でも同じことをしたでしょう。そのくらい稚拙な内容です)。

 

 今思い出しても恥ずかしい出来事ですが、後から読み返してみるとそのシートに書いた内容は自分目線(売り手目線)だけだったんですよね。ビジネスで最も大事な「買い手目線はどうか」がほとんど抜けていました。

 

 そのときに得た反省は、「売り手目線(そのビジネスにかける情熱)と買い手目線(お客様はどう感じるか)は両立させよう」ということ。情熱はわかりますが、それが相手に適切に伝わるかどうかはもっと大事です。

 

 私は前職(出版業)で先輩から教えていただいたことの一つに「書いた文章は一度寝かせろ」というものがあります。それは、文章を書いているときは「読者に何を伝えようか」に意識が強く向きますが、それだけだと「読者は何を知りたいのか」が抜けがちです。

 

 そこで数時間、ないし一日くらい寝かしてから読み直すと読者目線になって読めるので、文章に何が足りないかわかってきます。まさに「売り手目線と買い手目線」ですね。

 

 何よりも今回のような機会が私自身のビジネスを見つめ直すきっかけになっています。本当にありがたいことです。